デザイン

芸術とデザインの違い

ATHENA

芸術にルールはありませんが、デザインにはルールがあります。

チラシのデザインを始めた人が挫折しそうになる、

ネガティブな理由としてよく上げられるのが

「自分は芸術的センスが無い」

と言うものです。

ですが、はっきり言います。

デザインに芸術的センスは必要ありません。


何故なら、「芸術」と「デザイン」は全く別物だからです。

「芸術」と「デザイン」を混同して認識していると、

「芸術的センスがチラシ制作の邪魔をしてしまう」事さえあります。

それぞれの違いを明確に意識しておくことが、

デザインの勉強を始める上で重要なことと言えます。


意識しておくべき「芸術」と「デザイン」の違いは、大きく三つあります。

一つ目は「スタート」の違い、

二つ目は「ゴール」の違い、

三つ目は「勉強して上達する事が出来るかどうか」です。

一つ目の「スタート」の違いとは、

すなわち「発するところの違い」です。

芸術の「発するところ」とは、「何らかの創造欲」であり、

「美」を追求したものであったり、

「自身のこだわり」を表現したいものであったり、

いわば、創造のエネルギーが元となっていると言えるでしょう。

ですが、デザインは「職業」です。

誰かの何かの必要性に応じ、制作する必要性が生じたものがデザインです。

二つ目の「ゴール」の違いとは、

「目的」の違いであり「判断する人」の違いでもあります。

芸術は、「表現する事そのもの」がゴールです。

それがゴールしたかどうかは、「制作者の主観」によって判断されます。

しかしデザインは、「ある目的を達成する為に制作」されたものであり、

その目的を達する為に制作された制作物がゴールです。

更には、その制作物によってお客様に来ていただいたり、

商品を通して喜んでいただいたりする事がゴールです。

その判断は、「依頼した第三者」によって判断されます。

三つ目の違いは、「勉強する事が出来るかどうか」です。

芸術は、「その人の個性」を表現するものです。

個性は、教科書で勉強するように順序立てて学んでいくものではありません。

ですが、デザインには、学ぶべき基本的な法則があります。

もちろん、それが全てではありませんが。

繰り返しますが、芸術にはルールはありませんが、デザインにはルールがあるのです。

デザインのルールとはどういうものかを簡単にいうと

「人にわかりやすく物事を伝えるには、こうした方が伝わりやすいよ」

という事を体系づけたもの、

と考えてもらえばわかりやすいと思います。

目立たせたりとか、オリジナリティを考えるのは、言わば飾りの様なものです。

ですので、制作されたデザインについては

「どうしてこの配置にしたのか」

「この色味を使用したのは何故か」

などは理論的に説明出来るものでなければいけません。

理論的に説明出来るものであるならば、

すなわち、それは勉強して習得出来ることを意味します。

デザインは、勉強すれば必ず上達するのです。

これからデザインの基本的な法則を一緒に勉強していきたいと思います。


記事URLをコピーしました